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 私 「そういえば、遠野春日さんて読んだことないわ」
 某 「ええっ!?」

遠野さんは確かにBL界のビッグ・ネームなんでしょうが、そんなに驚くようなこと?(びくびく) 意識せずにアンソロなどで読んでいたのかもしれないけど、自分で選んで読んだことはないんですよ、本当に。出戻ってリサーチを始めた頃、各所で「ハーレクイン、はーれくいん」と連呼されていたのに対して天邪鬼な私が「男同士でハーレクインて何だよ!?男同士は闘ってナンボでしょう!」と避けてしまったのが主な原因と思われます。また、昔と違い毎月の出版点数も多く、気になる過去作と新作を追い掛けているうちに積読が溜まってしまったことも関係あるかもしれない。
でももうちょっと間口を広くしてもいいよな、と手に取ったのが、たまたま1冊だけ近所の書店に残っていた近作『甘美で優雅な恋の毒』(リブレ出版)。
各所で割りと評判も良かったし、いきなりアラブもの(*)よりはいいっかなーくらいの軽い動機です(* 本人にとってはハードルが高いらしい)。
【あらすじ】
優雅な生活を送っていながら、学生時代の先輩の店の“出張ほすと”として出掛けた桜野慎。贅沢な高級マンションで慎を迎えたのは多方面に名を知られたビジネス・エリートの高階唯行だった。一度きりの逢瀬のはずが、双方とも強烈に惹かれあったことで二度三度と回を重ねることに。冷静さの下に隠す恋心は次第に熱くなっていくが、慎の隠された事情が二人の間に亀裂を生み……。

するする読めちゃいました(笑)。
すみません、初心者には判断が出来ないのでお伺いしたいのですが、本作はスタンダードな遠野作品と考えて宜しいのでしょうか?もし、そうであるなら、私は大変な考え違いをしていました。ハーレクインという単語から、キャラいえ受がもっと女オンナしてて攻への依存度が(あらゆる意味で)高いのかと思っていたのです(そもそも読んだこともないのにハーレクインというものに偏見バリバリ!であること自体が、硬直した精神の持ち主であることを露呈してますよね。うん、反省)。やっと分かりました。多くの同士の支持を得ていたわけです、攻だけでなく受もゴージャスだったのですね!(シンデレラ・ストーリーというわけじゃなかったんだ)

お話としては“出張ほすと”という多少の胡散臭さをスパイスにした誤解から始まる恋。
受も攻めも見た目が良く頭も良く金にも困っていない(仕事はガンガンやってるが)、気になったのでちょっとフィレンツェまで、なんて事が出来る人たち。しかもラブラブ はぁー(ため息)、皮肉ではなく「綺麗な夢の世界」だわー、と思いました(ちょっぴりうらやましいような…)。
その後、ちょっとした事件があって更なる誤解があり、種明かしがあって和解し大団円。
うん?これってアレだ、M戸黄門!色々な設定の違いはあっても、観た(読んだ)人がすっきりして楽しい気持ちでラストを迎えるエンターテインメントの王道。毎週観ても飽きない&何冊読んでもまだ読める、のにはワケがある、王道の気持ち良さ。納得。
激甘との評に覚悟もしてたんですが、想像していたような気持ち悪いくどさは無く。確かに甘いんだけど上白糖の甘さというか、オーソドックスの強みというか、意外にすっきりいけちゃいました。
実は情熱シリーズ(4冊)がずーっと塩漬け状態なんです。スピンオフだの番外編集だのと完結後も関連本が出る人気シリーズなのになんで手が出ないのか。今回の遠野作品初読みは情熱シリーズに取り掛かるための弾み付けともいえるかも。

甘いの続きでもう一冊、佐々木禎子さんの『指先の愛撫』(プランタン出版)。
佐々木さんのBL作品は多少もの足りなくとも又は多少トンチキでも読んでいて「楽(ラク)」、相性がいいってことかもしれない(ただしJUNE系は全く違って、コワイ痛さがあるので注意)。
なかでもこれはアタリだった!
こちらはちょっとひねった感じの甘さ。生姜糖ってとこ?
【あらすじ】
神谷美樹(よしき)は、若いながらも幼馴染である木瀬秀一と骨董も扱う陶磁器とガラスの店を経営している。陶磁器の修復も手がける美樹は、不動産会社を営む大道寺行久から人違いで顧客に身体も売っていると誤解されてしまう。修復の仕事のためと大道寺の家に強引に連れてこられ、同居しながら仕事をするうえにセ○クスまで無理強いされることに。一目見たときから大道寺に惹かれていたせいで拒むことも真実を告白することもできず、美樹を見誤ったままの大道寺から夜毎抱かれていたが!?

遠野作品と同じく誤解から始まる恋。しかも双方が一目惚れながら互いの誤解に苦しむ。
といっても双方の視点に寄り添った描き方をしているので、読者は安心して掛け違ったやり取りを楽しむことが出来るコメディ仕立てとなっています。遠野作品が填まるべき所に填まるべきピース(やたらきらびやかな)をぴたっぴたっと填めていくのと違い、テコたん作品はちょっとずつ捻ったりずらしたりと、おとぼけヤロー(笑)なんです。
こちらの攻・大道寺も遠野作品の攻・高階とよく似たタイプ。BLにはゴマンと出てくる「仕事はデキルのに恋には……」というヤツです。正直、こっちはどうでもいい(ヒドイ!)。
私が舌なめずりして喜んだのは受の美樹!オボコい泣きボクロ美人(イラは石原理!)ちくしょー、可愛いぜ、俺がいじり倒したいっ! 店の共同経営者といっても職人としての比重が高い、私の好きな「ものをつくるひと」に近いタイプ。職業人としての意地と、友人への配慮から誤解を解くことも出来ない、っつーところも大変ポイント高し!もちろん初めてなのにベッドでの反応も素晴らしいの(笑)。
あちらが華やかなフィレンツェならこちらはしっとり鎌倉。陶磁器の修繕の様子も窺えてちょっとした仕事ものでもあります。器好きなら薀蓄も楽しいはず。ラピス文庫のギラギラ光るオビに怯えて手を出さないとしたら損ですよー、と申し上げたい一冊です。



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