2017.05 «  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  » 2017.07

スポンサー広告  --.--.--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
精神的な理由で食欲を失ったことがありません。「せつないよう~」とつぶやきながらだってガッツリ食べられます。
こういう人間にとってこの本は、フィクションにして正気づくのを手助けしてくれた一冊(苦笑)。

『きのう何食べた? ①』 よしながふみ/講談社・モーニングKC(2007.11)

よしながふみさんの食べ物描写の上手さについては多くの人が認めるところだろう。今回もやたら食欲中枢を刺激されて参った。なのでなるべく食後に読むことをお勧めする。
或いは食料の買出し前に読むと、メニューや食材の使い回しなどやり繰りのアレコレに影響を受けて“デキル主婦”気分が味わえるかもしれない。
しかしそれは周辺情報。「食」という多くの人が気になるモチーフで入り口を広くし、誰でも入り易くした“ちょっと変わったカップル”を巡るドラマ、なのだと思う(ゆえに人によって色々な読み方が出来るのではないか)。

登場する“ちょっと変わったカップル”とは四十過ぎのゲイ、筧史朗(弁護士・43歳)と矢吹賢二(美容師・41歳)。【こんなお話】、と記すのもあまり意味がないような、二人の日常が描かれている。が、ゲイCPといっても「モーニング」という一般誌での連載ゆえ性描写どころか、いちゃいちゃムードも無し。
それでも、やはりこれは「カップルのお話」だと感じた。あえてヘテロなCPにしなかったのは常識的な男女の役割を取り払って、“親密な関係の二人”の普遍的な日常生活を描くため?
というのも、読んでいて妙に身につまされることが多かったからだ。特に、親とのギクシャクした“分かり合えなさ加減”など、(“問題”は違っても)痛い(!)ほど。また“将来”についての不安などは、若くもなく子供もいない夫婦にだって同じことがいえるのだ。この辺は深刻ぶらずに語られるので、こういうところで引っ掛かるのはあくまでも私の読み方。ストーリー自体はシリアスに傾き過ぎることはなく、コメディ・タッチも交えて軽快にすすむ。
そして前述した食べ物!「Cっきんぐ・Pぱ」ばりに実用的なレシピ(しかも美味しそう)がまんがで説明される辺りは“ちょっと料理をする”人間ならすごく分かりやすいと思う。これ作ろう、と思ったものが幾つもあった。
もちろん食べ物周りの小ネタもいっぱい!
底値チェックはもちろん、見知らぬ人と激安商品を半分コしたり。コンビニで買ったHーげんDっつに、スーパーで買えば二割引なのに何で正価で買うのかと小言を言ったり(その場合、代金は小遣いから!)。更には、つまらない諍いは食事でごまかしたり(汗)。
「ある、ある!」とうなづくことばかり(ほほほ……)。

かなり読みやすく楽しい作品ですが、“ザ・BL”的な期待には全く応えてくれない(少なくとも一巻では)のでご注意ください。脳内でBL成分を補完するとして、もっとも近いよしなが作品のCPは『1限めはやる気の民法』の藤堂×田宮だと思うのですが、どうでしょう?
レシピ本として活用も利くし、オモテの本棚にしまっておいてもダイジョーブ!
「☆三つです!?」

 [ 蛇足 ]
作品とは全然違うところで驚かされたのが『大奥』第三巻の告知。
オビの裏表紙側と本の最終ページの広告で取り上げられているわけだけど、この本の発行・発売は白泉社で、『きのう何食べた?』は講談社。(山田)ユギたんの単行本におけるリブレ出版と竹書房のタッグはともかく、出版社の枠を越えて宣伝までするのか!?いわゆる大手が、系列企業でもない会社の本を?と驚いたのだった。
これも出版不況の影響なのだろうか。


管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。