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『刺青の男』ショックでどうも感度が鈍ったというか強烈な光に目が眩んだというか。
直後に読んだコミック作品が頭の中に入っていなかったことに気付き、この二冊を再読した(*)。
『僕のお兄さん ②』と『悪魔とキスをする前に』。

先ずは『僕のお兄さん ②』(今市子)。
今市子さんは大好きな作家だし面白いんだが、続きものの場合はラストまで読まないとどうもすっきりしない。鳥頭にとってはピースが全部はまって全体像が眺められないと何の絵だか分からないのだ。同作者の『B級グルメ倶楽部』は一応単行本ごとにひとまとまりしているので大丈夫なのだが。
この巻もあらすじ自体はあっさりしているのに、仕掛けがバラされては仕込まれてと、中々ややこしい(私だけですか?/涙)。完結してからゆっくり通読したい。でもそれはいつ?

作品内容とは別に、私が参ったのが異母兄弟・彰人の言動です。全然ついていけなーい!
すんげー自己チューで子供(内面)のくせに保守的で、目の前の真実を見ようともしないので見えない。現実にもいるけど私にとっては数学や物理よりも理解し難い億万光年彼方の人です。こういう人とは一体どうやって付き合ったらいいのでしょう(実際、周囲にいるんですがこちらはれっきとした大人です)。
こんな人と突然兄弟になってしまった(正確には対面した)聖くんの戸惑いやいかに!?
聖くん、がんばれ!と心よりのエールを贈るのでした。いやホント教えて欲しい……。

地味な存在ながら作品の完成度は高いと思うのが『悪魔とキスをする前に』(神楽坂はん子)。
皆がニッコリするようなハッピーエンディングとは一味違うビター・テイストなので、評価がまちまちなのは仕方ない。私はこの作品が大好きですが。
ところで以前より、個性派揃いのBLコミック作家の中でこの人の作風は異質だなーと思っていた。
イチャイチャLOVE LOVEしていてもベタベタしていないサッパリ感があり、作品全体で見ても、一部が突出or暴走しない抑制された物語の世界を構築している(割りと淡々と話が進むといった方が分かりやすいか/汗)。煽るだけ煽って物語を盛り上げ、読者大感動ーっ…みたいな事をあえて避けているのではないか
登場人物にしてもそうだ。いわゆる“萌えキャラ”に、どっぷり浸かって作品を描いてない。キャラクターに好きなタイプが投影されることがあってもあくまでも設定の一つで、好きなキャラに引き摺られて話を壊すようなことがない。かといってキャラを突き放している訳ではなく、傍らからそうっと見守っている感じ。
小説でいうと、たけうちりうとさんが似たタイプじゃないかと思う。
こういうタイプ(作品)のものだって決して平板とか一本調子というわけではないのだけれど、ピンと来ないという方には物足りないんだろうなとも思う。それはよく分かる。エンターテインメントとしての王道は、映画やドラマなら大音量で盛り上がり涙に咽んで或いは笑いながら幕を閉じるって方だもの。
でも本作みたいな話はいつまでも心の何処かに残っていて、思い掛けない時に甦り胸を締め付けるのだ。そんな作品もあっていいじゃないか。

私は雑誌を小まめにチェックしていないので各誌のカラーの違いが余りよく分かっていないのだが、
「この話がディアプラスに掲載されて単行本まで出たのはスゴイこと」
とは友人の弁。この『悪魔と~』といい、単行本の描き下ろし部分とはいえ『刺青の男』といい、“絶対ハッピーエンディング”のBLの不文律にも変化が訪れているのではないだろうか?と言うのだ。
かつてのJUNE作品も細々とだが復刊されだしているし、本当に変化の風が吹き出しているのだろうか。それは良い変化なのか悪い変化なのか。
BLが“LOVEファンタジー”であり、女子(一部男子)の“癒しグッズ”でもあることは間違いない。ゆえに基本的にはハッピーエンディングであることが好ましいと思うのだが、それに縛られる余り作品が台無しになることは読者としても耐え難い。とにかく面白いものが読みたいのだ。
新たな良品・佳作を生むことの一助となるなら私は変化も悪くないと考えているのだが、さて風は本当に吹いてきたのでしょうか。


(*) この記事、10月末頃に書きかけたまま埋もれていました。だらしがなくて恥ずかしい。
    まだ“風”は分かりませんね。



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