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遊び、それもお馬鹿な遊びであればあるほど全力で遊び倒したモン勝ちではないでしょうか。
そんなワケで【或る企画】のバナーを張っています。私はひっそり応援するだけだけど、死ぬ気で滑れじゃない、遊べ!とエールを送っとこう(笑)。
トンチキも同様です。半端なトンチキは苦笑するだけ。やるなら徹底的に、圧倒的な勢いで全てをなぎ倒す!くらいでないと駄目です。でなければトンチキの存在意義などどこにあるのでしょう。カモン、俗世の常識を打ち砕く強力トンチキBL本!!
そんな私にトンキワの神さまから一足早いクリスマスプレゼントが届きました。
  『胡蝶の誘惑 -アーサーズ・ガーディアン Unit Vanilla (SHYノベルス)
これだよ! 半端なトンデモ本や“ちょっと面白い”くらいのBLが読みたくて<ムダに贅沢ユニット>の本を購読しているわけではないのだ。
ただし、これが“誰が食しても美味しいものか、どうか”はです。
かなりの珍味であることは間違いなし!くさやみたいなもの、だろうか。

【こんなお話】
「あなたはこの幸運を受け入れた方がいい。ほんの数時間で苦しみから解放される」
製薬会社ヨーゼアに勤める叶野史生は、妄想癖のある熱心な研究員だ。
ある秋の夜、いきなり見知らぬ外国人が家を訪ねてきた。褐色の肌に端整な容貌の彼、グレッグ・メイヤーは、初対面にもかかわらず、叶野の持病を自分に治療させるよう主張してきた。
いったいどうして? わけがわからず怯える叶野をグレッグはなんとか説得しようとするのだが、叶野が偶然つくりだしたある薬のせいで事態は思いがけない展開になり……!?
傷つきやすい大人たちが手に入れた真実の愛とは!?―――

1巻のあとがきでの「コメディ」発言に惑わされましたが、このシリーズをコメディとするのはやはり無理があると思います。御託を並べるのも煩わしいので例を挙げるなら、近作でコメディと太鼓判を押せるのは榎田さんの『交渉人は疑わない』。楽しく読めてホロリとさせる、これがコメディだと思います。
前述したとおり、このシリーズはトンチキと考えるのが一番落ち着くのではないでしょうか。但し、トンチキとしての出来がいいか悪いかはまた別の問題ですが。

さて、今回の主人公・叶野(受)は仕事も出来るし心根も優しい外見も上々、といいこと尽くめのようでいて、実は頭のねじがゆるんでいる或いはイッちゃっていると表現したくなるような人物です。
更に医師としての使命感もあり、まともな常識人然としたグレッグ(攻)も初対面でいきなり「尻の病気で苦しんでいるだろう」と言い、「あなたの手術をするためにやってきた」と言い出す始末。
おいおい、文明人なら社交術というものがあるだろう。それとも、ミッションと途上国での仕事の繰り返しで当たり前の人付き合いが出来なくなっているのか?とツッコミたくなるような初対面。
こんなやり取りで二人の仲が始まるは、この後もひたすら“ありえない”、“おかしい”のオンパレードだはで、冒頭でトンチキ・ワールドに入国し損ねた読者はアレヨアレヨと置いてきぼりを喰らうことに。無事に入国出来た者だけが溢れるトンチキ魂とトンデモ発想の怒涛の連続力技を楽しめる仕掛けになっているのです。
しかし、これハードルが高過ぎる! ついていけない人が多くても不思議には思いません。
何せ通常のトンチキとは違い、ハバネロを大量投下したかのような辛口なんです。

私がふだん愛しているトンチキはどこか陽気な気分をはらんでいる、追い詰められた状況でも「なんとかなるさ~」的な理由なき安心感が作品世界を覆っていると感じられます。
これはたぶん作者がトンチキ作品を執筆している時の「あらら、どうしよう?まあいいや、いっちゃえ~、やっちゃえ~!」という気持ちの反映ではないかと推測しているんですが、どうでしょう?
ところが本作ではそうした能天気なまでのハッピー感が無い(ハッピーエンディングではある)。
更に“ありえない”、“おかしい”のネタがことごとく人を引かせる方向を向いている上、キャラの描き方に容赦が無いんです。たとえ主人公といえど気持ちの悪い部分はきっちりキモく、人間の嫌なところ滑稽なところもそのまま出す。夢の世界BLでここまで描くのは異端です。たぶん作者は木原音瀬さんではないかしら……。

もう一つ作者の力技を感じる点があります。
一・二作目では、こんなトンチキな組織のミッションでカップリングをまとめるのは無理!とばかりに二人きりになる状況で話を進めましたが、本作では他者の介在もあって二人の仲は進展するのです(くっつくのを応援したということではない)。
お互いしか視界に入らないわけではない二人が様々な“ありえない”、“おかしい”を踏み越えていかに結ばれるかを知るには読破するしかありません。
しかし相手は極北の地に立つ孤高のトンチキ本。トライするか否かはよくよくお考えの上でどうぞ。
そして私の目下の興味は、ここまでやっちゃった後の四作目の担当者は何をやってくれるんだろう…ってことです。正直なところ同情を禁じえません。
○○センセイ頑張れーと、こちらにもひっそりエールを送ります。



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