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『マルチェロ物語(ストーリア)』 樹なつみ/白泉社・花とゆめコミックス(1982.4~85.9)
“全8巻”のうち、これまた“1~5巻”までしか出て来ない(涙)。しかもこれの前に記事にした『エリア88』と一緒の袋に入ってました。全然ジャンルが違うじゃん!!袋に詰めたのは絶対に私じゃありません!(笑)

【こんなお話】
イタリア系移民の孤児マルチェロはデザイナーのデモルネに見出され、少年の身ながら世間公認の「女装のファッション・モデル」として活躍中。ひょんなことから知り合った年齢の近いデザイナー・イアンと友達になり、更に活躍の場を広げていく。が、成長期の身体は女装モデルの限界を迎えていた――

一作目は読み切りの形で描かれ、81年の「ララ」4月号に掲載。こちらの評判が良かったのか、作者がキャラに愛着が湧いたのか(或いは…)同年9月読み切り、更に11月~1月短期連載…と、ぽつぽつと作品が描かれていき、83年5月から本格的に連載となる。
……といったことはどうでもよくって(笑)、腐女子的にはやはり主人公を見出し、何かと助けの手を差し伸べる(マルチェロ呼ぶところの)「デモルネのおっさん」に注目でしょう。
彼は世間的にはともかく、周囲には全く隠していないゲイです。マルチェロのことは真剣に愛しちゃってるのですが晩生でストレートな彼には全く相手にしてもらえません。しかしめげない(笑)。時には激しく嫉妬する時もあるのですが大体は広い心でマルチェロのことを見守っています。ファッション界の帝王と呼ばれる喰えないオヤジながら“いい人”に甘んじている、とも言えます。
ところでリアルタイムに読んでいた時は気にもしなかったのですが「おっさん、おっさん」とマルチェロから連呼されるデモルネの年齢は37歳(うっ!)。この時、マルチェロ15歳、イアン19歳。自分がその頃、28歳くらいの男の人を「おじさん」と思ったことを考えたら仕方ない(汗)のかもしれないけど、「ファッション界の帝王」って呼称からもっと上の年齢をイメージしちゃってました。
(以下ネタバレあり)
そんなデモルネが主役を張るのが3巻に収録された『遥か青き時代より』。
文字通り若き日の恋と人生のターニング・ポイントとなった事件を描いていて、これが結構クるのです(BL禁断の○○ネタ/泣)。
またデモルネの弟がいいんですよ!(2巻収録『空色のパスカル』)
体が弱いこともあって“深窓の令嬢”か“修道女”の如く育てられた無垢な若者。この無垢な若者がマルチェロを兄の女性の恋人と思い込み、接しているうちに淡い想いを抱くようになる、しかし。無垢な人間は時に、「大物」にもなり得るのです(ニヤリ)。

それから一つ言及しておきたいのは先にも触れた第一作の年です。
81年はまだ『風と木の詩』が連載中で、この年の秋に「JUNE」の復刊第1号が発刊されます。「小説JUNE」発刊は更にその翌年の秋です。この頃から徐々に現在のBLに至る足場が形成されていったわけで、このシリーズもそうした時代の洗礼を浴びた作品と言えるかもしれません。
とはいえ、まだ同性愛者については及び腰だった時代です。掲載誌「ララ」は『アラベスク・第二部』で下地があった(カリン・ルービツというレズビアンのキャラが登場する)うえ、80年からは『日出処の天子』を連載(どちらも作者は山岸凉子)。しかし未だ新人といっていいような作者にメイン・キャラのゲイ設定を許したのは、実験OKな読み切りの形だったからのように思います。
ともあれこのシリーズで作者の樹なつみさんは一躍人気作家の仲間入りを果たしますが、以降も私の知る限り脇キャラにゲイの設定をすることはあっても、本筋にゲイの話を据えることは無いようです。それは、おそらく彼女が描きたいのは全ての人を魅了するカリスマ的な人物であって、男同士のあれやこれやでは無いからでしょう。
むしろ後遺症(?)が残ったのは「ララ」かもしれません。ベテランの大作でなくとも読者が黙認・許容どころかゲイに喜んでいる(!)ふしを嗅ぎ取り、時には匂わせるような作品を、時にはそのものズバリな作品を、ベテラン・新人問わず掲載するようになった気がします(*)。

* この件については検証したわけではありませんので、何かご指摘が有りましたら教えていただけると有り難いです。誠に図々しいお願いですが宜しくお願いします。

 ◆ 100冊まで残り 76冊


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